Chugai Kunishima 1850、そしてヒトビト
スーツを持っていない税理士(と言われている?)星野です。
いえ持ってます少し。体型劣化のためサイズが多く合わなくなって、あまり着ないだけです。
そんな私ですが、リティル http://re-tail.jp/ 稀温氏のコーディネートでスーツ生地のお披露目パーティ(発表会)にお邪魔してきました。
1850年創業の中外国島株式会社 https://www.ckktex.co.jp/ による新作生地「Chugai Kunishima 1850」の発表会。
9月7日土曜日、 場所は尾張一宮駅からも近い、リテール2階の「中外国島コンセプトテーラー」。https://www.ckktex.co.jp/concept-tailor/
ギラついた西陽はまだ強いけれど、17時という開始時間も昼夜の狭間を選んだかと後に推察。
まずはドリンクとビュッフェで喉と人間関係を潤わせつつのスタート。
伊藤核太郎社長の挨拶と説明に続いて、服飾史家中野香織さんのお話。
ダンディズムという言葉をキーに、スーツの来歴からフォーマルのありようへ、日欧を往復しつつ歴史を摘んで楽しいレクチャ。昼・夜 × 男・女 × フォーマル・セミフォーマルのバリエーションが頭にスッキリ収まる実用性も兼ねた短時間だけど豊かな解説。30年ほど前にディレクターズスーツを着ていて変な格好だと言われたことを久しぶりに思い出しました。
続いて中外国島スタッフによる「Chugai Kunishima 1850」の発表プレゼン。
そこで伝えられたのは
■ 着る人の未来を… 普通に良いものを普通に造る… どういう場所で、どういう人と、どんなふうに会って、どうなりたいのか... この2年半、普通にいいものを普通に作ろうとした…
■ distance 8 ⇒ distance 3 2 1 ⇒ distance △3という謎解きコンセプトをスタッフたちは前後左右に移動して立体的に絵解き。
■ ラーメンの様々なメニューの中から、やっぱこれでしょ!という一品を見せ、その対比にこの生地のミッションを被せます。
■ 「Chugai Kunishima 1850」の布地見本はA4書類箱ほどのボックス型。綴じ込まれた小さな見本帳でなく、大きめの生地が綺麗に畳んでスッキリ収まっています。そのボックス化は生地選びの課題に対するソリューション、論理的帰結でした。
タテヨコナナメ様々なベクトルを抜けて、また中野先生のお話の写し鏡のように洋の東西を行き来し、「Chugai Kunishima 1850」のストーリーを伝えます。
そのプレゼンの進行と並行して、私は強くヒトのことを思っていました。
ここ一宮の、単一産業依存社会のヒエラルヒーの中では生まれてこない(と私が思ってきた)ようなヒトビト。
この中途半端なトカイナカで、去ってはいけど帰ってはこない(と思ってきた)ようなヒトビト。
会場で触った「Chugai Kunishima 1850」の生地のように、輝きと潤いをさりげなくまといながら、その奥に多様性とオリジナリティ、ある種テロワール的な個性を持つヒトビト。
スタッフたちの動きや目配りを見ていて、そうしたヒトビトのありように強く想いが向かいました。
帰りに手渡された紙バッグには、シトロンヴェール http://www.citron-vert.jp/ のパティシェによるタイル状のクッキーが入っていて、そのデザインは生地の組織(組み方)を模したものでした。
リティルを出て、com-cafe三八屋へ急ぎ足。そこでは還暦過ぎの同級生たちのプチ同窓会が始まっています。昭和な懐かし話の無限ループで、既に盛り上がっているだろうなと想像して気重になり、リテールのすぐ北、一宮税務署の前で立ち止まりました。
先刻のヒトビト。
ビジネスセクターで、ヒトとチエ、コトとモノの地域域内循環が、ここ(繊維のまち)一宮でも既に始まっているのか。ここでも時代は次のステージに移行しているのではないか。やっと流石にこの地でもそう理解すべきではないか。
まだまだクソ暑いけれど、背中に当たる西陽が少し弱体化したように感じて、気を取り直してヨロヨロとまた歩き始めました。同級生たちにそんなヒトビトの話をする勇気も無く、やはりその夜も強く酔ってしまうのでした。
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