一宮博物館 一宮三八市のにぎわい展(2009年1月号)
以下は元の原稿です。
10月から11月にかけて一宮市博物館では「一宮三八市のにぎわい」という企画展が開催された。
ホシ・ おお学芸員の久保さんも館長の小崎さんもみえます。あちらは今回の展示を企画された学芸員の坪内さんですね。
クボ・ まずは「三八茶屋」へどうぞ。お手前は学芸員のツボちゃんです。
三八茶屋は野外の屋台で開催されるのだが、今日は雨のため室内となっているようだ。抹茶がたてられ、お団子が供されている。
ツボ・ 赤・白・緑の三色団子をどうぞ。
フル・ うまい。あれ、でも、これって?
クボ・ ハッハッハ。実はパンなんです。
赤見のパン工房MuraKamiで特別に作られた団子パンだが、天然素材で色づけされ、芋あんや小豆あんを使い、抹茶にもよく合う。お茶が終わると作務衣姿のツボちゃんに企画展をガイドしていただいた。まずは大英博物館に所蔵されている「津島祭礼図屏風」の大きな模写絵が展示室への導入部にある。
ツボ・ ここで見ていただきたいのは、お祭りの場で様々な庶民の商業活動が活発に行われているさまです。また士農工商の身分で言うと農ですが、江戸時代中期にはこうした市などで商いをし、現金収入を得る者も増えてきます。ここに農民のパワーを見ることができます。
最初の展示コーナーは「市場のはじまり」だ。14世紀ごろの妙興寺の文献から、黒田や牛野で市が成立していたことが分かる。やがて尾張藩はそうした市場を公認することで経済活性化と税収増加を図っっていくが、同時に農村部でもどんどん商業が拡大されていく。都市の問屋の影響をあまり受けない独自の市場が村々に拡大していく。
ホシ・ 農村の商業性拡大と藩政府のせめぎ合いの感じがリアルですねえ。
フル・ まあ今も昔も、どこもここも変わらない官と民の関係ってとこでしょうか。
一宮の三八市は、藩の許可を得て1727年に始まり、地の利の良さなどから拡大していったようだ。場内には三八市の店舗マップが大きく展示されている。
ホシ・ この図面を見ると、固定化した店舗と屋台などが交じり合って賑わいを作り出しているようですね。
フル・ 商店の前にも屋台が出ているし、外部の人にもどんどん出店させてるようですね。
ホシ・ 農産品や工業製品だけでなく、お医者さんや大工さん、床屋さんまであります。
最後の展示コーナーは戦後のマーケット化した三八市の様子だ。写真などもある。
ホシ・ ううむう。こうして見てくると、江戸時代に市場が各地に拡大していく様子と、庶民のバイタリティが歴史の中で浮かび上がってくる感じですね。
フル・ まあ総じて右肩上がりだったんでしょうね。
ホシ・ この秋からの日本というか世界経済のことは、将来どういう「歴史」になっていくのでしょう。
フル・ おお、深い話もできるじゃないですか。
ホシ・ いやホントひどく不景気ですから。まあいいや、餃子でも食べながらビール飲みましょう。
フル・ あーあ。
【写真キャプション】
企画展が開催された一宮博物館
三八茶屋の様子
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